木質バイオマス利用促進プロジェクトの企画で、先進地視察に行ってきました。今回は2か所を訪問し、それぞれの取り組みについてお話を伺い、現場を見せていただきます。最初は塩尻市森林公社の取り組み「山のお宝ステーション」です。塩尻市宗賀支所の会議室で説明を受けました。
塩尻市森林公社から3名の方が来てくださいました。塩尻市では森林公社を設立して、市独自では取り組みにくい事業に柔軟に対応しています。「山のお宝ステーション」とは、登録している市民が自ら間伐材を運び込み、軽トラック1杯(0.8㎥)を4,000円で買い取ってもらう事業で、小口市長自ら持ち山から軽トラックで間伐材を運び込むなど、市長の肝入りで始まりました。信州Fパワープロジェクトの稼働も見込み、FIT(固定価格買い取り制度)にのっとった材のみが対象で、伐採届の提出が必要です。
市内に2か所あるステーションのひとつ、宗賀ステーションを見学させていただきました。先月まで開催されていた「花フェス」からいただいたというフラワーポット、塩尻市森林公社の看板とともにお出迎えしてくれました。先日オープンした「えんてらす(広丘公民館複合施設)」の玄関にも、同じようなフラワーポットが飾られていたのを思い出しました!
さすがワイン乾杯条例のある塩尻市!ワイナリーから届いたというワインの醸造樽がいっぱい。何か良い使い道はないかと…今のところはNOアイディアだそうですよ。
薪の行先はDLDがほとんどですが、一般市民への販売も始めています。44±1cm長さの薪、樹種によって値段は違いますが、焚き付け用のものや端材もあるようです。必要な方は、ぜひお問合せください。
塩尻市森林公社では、森林の活用だけでなく「森林教育事業」にも取り組んでいます。子どもの森の健康診断(宗賀小学校)や、しおじり森林塾を実施し、山づくりの基礎を学ぶ山の担い手育成を行っています。森林塾で使っている、伐倒技術の基礎(チェンソーでの受け口づくり)のための人工立木です。
ご対応いただいた森林公社のみなさん、本当にありがとうございました!
2か所目は南信、上伊那郡中川村です。昨年から始まった「信州なかがわ木の駅プロジェクト」についてお話を伺うため、中川村役場へおじゃましました。
中川村役場の事務局3名と、プロジェクトを実施するにあたり設立された実行委員会の委員長さんが来てくださいました。実は視察対応は初めてということで、資料なども今日のために作成いただいたとのこと、ありがたいですね。全国で行われている「木の駅プロジェクト」ですが、中川村で立ち上げることとなった経緯や、たった2年で形作った経過などについて詳しくお聞きすることができました。あの丹羽健司さんが、実行委員会のアドバイザーとして関わっていらっしゃいます!
バスで移動して、木の駅(材の搬入場所)へ。3×4メートル区画ごとに持ち込む人や団体の名前が書いてあります。持ち込んだ人の名前がわかることで「あの人が頑張っているから、もっと頑張らなきゃ」と思ったりする効果があるそうです。木の駅ができてから、これまでは山に放置していた細い枝なども、全部搬出するようになったとか、木の駅に納めるためにあそこを間伐しようという気持ちになるなど、林家自身へのモチベーションアップ効果があるとのこと。
再び移動(かなりの距離)して、今度は薪づくりの場所へ。屋根のあるところに薪を保管したかったということで探し、良い物件が見つかったと聞きました。原木はユニックで移動し、チェンソーで玉切り、薪割り機で薪にして、フォークリフトで移動、積み上げ作業が行われていました。
パワフルな薪割り機、3人チームで作業を行っていました。割った薪はフォークリフトに乗せて、保管場所まで移動し、もう一度きれいに積みなおしていました。
フォークリフトに乗せたまま、積みなおしたほうが楽なのになぁと思ったのですが、すぐに薪割り機のところに戻らないと…なのですね。
大量の薪、売り先は村営の入浴施設です。
5センチぐらいの厚さの板、壁に一面並べて飾りにするそうです。これは試作、みんなでワークショップで作るそうで、楽しそう!
「木の駅」は「森の健康診断」と「聞き書き」がセットで進められるのがセオリーですが、とにかく「木の駅」を2年間でスタートさせるのを最優先にしたので、これからあと2つを進めていくそうです。なるほど!そういうやり方もあるのですね…。
行き帰りのバス車中で、プロジェクトメンバーのみなさんとたくさんお話しできたのも良かったです。いろいろ感想もお聞きして、これからの活動につなげていきましょう。塩尻市、中川村のみなさん、本当にありがとうございました!