9月7日(土)さとぷろ。学校番外編として、視察に行ってきました。行先は大町市海の口にある荒山林業北山の森、2年前にも視察に訪れた場所です。月に一度の講座とは別に、サポーターさんへも参加を呼びかけました。講師を務めてくださるのは山仕事創造舎の香山さん。昔、炭焼き小屋があったという場所からスタートしました。

「とちす沢」という沢水が流れて、よく暴れるという場所。水に強い樹種が河畔林を構成しています。地質は溶結凝灰岩、火砕流が海水に流れ込んだもので、岩がゴロゴロ出てきます。

急な斜面を登り、また違うフィールドを訪れます。地質、斜面の向きなどによって、さまざまな林層が現れます。

「哲学の森」いつからそう呼ばれるようになったのか、イベントや観察会で使われる場所です。カラマツがまとまって、助け合って伸びていたり、アカマツとブナ、ミズナラが心地よい木漏れ日を作ってくれています。

補助金を使った間伐現場も見学しました。アカマツ、クヌギなどがきれいに積み上げられています。

高性能林業機械ハーベスタ、グリップで木をつかみ、伐倒、枝払い、玉切りを行うことができます。

早稲田大学岳友会(山登りサークル)の山小屋をお借りしてお昼ごはん。1986月の12月「ここしかない!」と土地を決め、山主さんにお願いして1988年に建てられたログハウス。鹿島槍の眺望を愛でつつ、午前中の感想や質問をシェアしました。

山小屋の前で記念撮影。みなさん、素敵な笑顔です!

 「森の保育園」表土が出ているところに、まわりのカラマツから飛んだ種が芽を出し、たくさんの赤ちゃんカラマツが生えています。本来、カラマツはこのあたりには自生しない樹種、大正時代に植樹が行われてからカラマツ林が増えました。ここも将来、カラマツ林になるのでしょうね。

98年のカラマツとウリハダカエデ、ミズメ、オオヤマザクラが複層的に育っている「針広混交林」では、2年前の台風で10本が倒れました。他の木にかかることもなく、選木と伐倒の手間が省けたとのこと。大径木のカラマツは造作物にも使え、なかなか良いものができるとわかってきました。

でも、カラマツを伐った後に植える「苗」を作る技術と人がなくなってしまっているという課題も知りました。針葉樹の苗は、移動が制限されていて地元で育苗ができないと、この先は厳しいようです。三重県の宮川森林組合では、地域の種で庭先などで苗を作る取り組みを行っています。

北山の森は本当に気持ちの良いところ。いつもヒノキの間伐実習を行っている場所とは、過ごす時間の気持ちよさが違います。講師のお話も、さらに森林について学びたくなる、そしてわかりやすく、大好評でした!香山さん、山小屋を提供いただいた諫山さん、山主の荒山ご夫妻、お世話になりました。ありがとうございました。