安曇野市内の穂高有明地区、第二次世界大戦中は松本50連隊の演習場だったところ。終戦後にアカマツ林になったようです。松枯れ被害が入ってきていて、被害木の伐倒だけでなく病気にかかる前に松を全部伐って、樹種転換を目的に更新伐(こうしんばつ)が行われている林地も出てきました。今回は3か所の更新伐あと地を見学、施業してくださっている森林組合の方から説明を受けました。

1か所目はアカマツを伐って破砕してチップにし、地ごしらえをしたあとカラマツの苗を植林してあります。2m間隔で(2,000本/ha)植えられたカラマツ、背が高いのは、伐らずに残された広葉樹です。傾斜がきつくて材を運搬するのが大変だったとのことでした。

2か所目は約5haの平たんな土地。昨年も来ている更新伐あと地ですが、様子がずいぶんと変わりました。樹木類は、目の高さより低くて開けた印象だった記憶があるのですが、それぞれ伸びてわさわさしている感じ。ここは植林をせずに、天然更新で、土地にあった樹木が成長するのを期待しています。

キリやホウノキも伸びていて、さまざまな樹種の林になりそうです。それぞれが芽を出した運命の場所で、光を求めて熾烈な戦いを繰り広げているのでしょう。どんな林地になるのか、とても楽しみです。

ここは数人の所有者の方がおられ、この奥の林地(0.6ha)の更新伐あと地にはカラマツが植林されています。2年目のカラマツは、成長の具合がまちまちで、とても背が高くなっているものもあれば、さきほどの1年目の苗と変わらないものまでありました。お聞きすると、もともと植えた苗の大きさがまちまちだったそうです。成長の早いカラマツ、

3か所目は、もともとクヌギ林だったところにアカマツがはえてきて、それを更新伐しました。ここには広葉樹であるコナラが植林されています。伐ったアカマツは樹齢70年を超える良材だったそうです。これからこういった良材が大量に出てくるので、その販路が課題とのこと。

植林されたコナラよりも、実生ではえてきたクヌギやコナラのほうが元気に見えるのは気のせいでしょうか…。

見学させていただいた3か所とも、ウルシが数多く成長していて、「ウルシを育てては?」という声もありました。更新伐は山林所有者の希望、アカマツの状況、助成金申請のための条件などを加味して、目標林形を決めて行われます。そしてこれからも手を入れながら、森林を育てていきます。それぞれどのような森林になるのか、楽しみにしていましょう。