零話元年6月26日(水)午前9時半より実施した「さとぷろ。学校 第3講」、会場は安曇野市明科にある清水集落。地元で竹林整備に取り組む方々も一緒に、竹や集落について学ぶ一日。敷地内には光久寺本堂、県宝である光久寺薬師堂、集会所があります。

光久寺本堂にて、これまた県宝である木造日光・月光菩薩立像を拝顔。光久寺や清水集落についてのお話を、県外から来られて光久寺を守ってきて30年以上という由井さんにお話しいただきました。日光・月光菩薩はお薬師様なので、以前は薬師堂にあったのですが、保安上今の本堂に移されたようです。ほかにも多くのありがたい像などがあり、由井さんのお話とともに心にしみわたりました。

竹林整備と竹炭づくりを体験します。講師はNPO法人森倶楽部21のお二方。整備の方法について説明があり、さっそく3チームに分かれて作業開始!

うっそうとした竹林。でも実は、左に見えている建物にまで以前は迫っていて、この斜面も一面おおわれていたとのこと。しかも、倒れて枯れた竹がたくさん積みあがっていて、伐るというより運び出す作業が多かったそうで、それを知っている人が見たら「なんてきれいになったのでしょう!」と感激されるようです。

伐る人、運び出す人。竹は何しろ量(カサ)が多いので、作業場所の確保が課題です。また、作業をしているうちに、だんだんと場所を竹がふさいでいき、安全確保が難しくなります。

運び出された竹の処理をする人。150cmぐらいに長さを伐り、枝を落としていきます。150cm長さの竹は、それぞれの節に切り込みを入れ、竹は竹、枝は枝、それぞれの場所に集積していきます。

無煙炭化器に入れて、炭にしていきます。最初は枯れた竹から入れていきます。

別の作業が始まりました。無煙炭化器ではボヤ炭になってしまうので、観賞用の竹炭を別に作ります。一斗缶に入れてから無煙炭化器に入れるので、長さを31cm以下(一斗缶に入るサイズ)に切ります。

一斗缶にマツボックリやクルミも入れて、フタをし、針金でしっかり固定し、フタに3か所穴をあけ、無煙炭化器にくべました。

その上には、井桁状に青竹を組み上げ、さらに枝を山盛りにしました。さあ、出来上がりが楽しみです!伐って運んできた竹の処理も終わり、午前中の作業は終了です。

竹林作業がんばりました!の記念撮影。後ろの竹林、作業前の写真を比べてください。かなり明るく風通し良くなりました。人手の力ってすごいですね。

お昼は集会所をお借りして、なんと!地元の方がタケノコ汁を作ってくださいましたよ。たっぷりのタケノコ、今年は不作の上にイノシシやシカに食べられて、あまり採れなかったようですが、下処理して冷凍保存してあったとのこと。信州ではタケノコ汁には鯖の缶詰めを入れるのが定番ですが、集会所にあったのは鯖は1缶だけで、あとはツナやカニの缶詰め、ということでカニ入り豪華タケノコ汁です。

地元のみなさん、受講生、講師、スタッフも一緒に、交流しながらワイワイとお昼ごはん。長くこの地に住んでいる人、新しく移住してきた人、竹林整備も月に一度のペースで行っているそうです。「元気なじいちゃんたちが頑張っている間に、何とかしないと!」と若い常会長(さとぷろ。学校の2期生)が言っていましたが、若いもんが頑張っているから元気なじいちゃんたちも頑張れるんだと思いました。

午後の講座が始まりました。林内作業で使う道具や装備の説明を、森林組合購買部の原さんに来ていただき、実物を見ながらしていただきました。足元をしっかり確保できるよう、スパイクのついた履物(長ぐつ、地下足袋)や、防護服、手袋、前掛け、ハチ予防、蚊取り線香などが紹介されました。

竹や竹林についてのお話し。竹は二葉序(キャベツは五葉序)で一節ごとに180度回転して枝が出る。同じところから2本出るのが普通だけれど、1本しか出ていない竹は地下茎が弱っている。竹は地下茎が地上に出てきたもので、同じように地下茎にも節がある。たまたま枝の出た方向が地上か地下かで決まるなどなど、お話しをいただきました。また、竹林整備の必要性や竹炭の利用についても質問があり、時間がいくらあっても足りない感じで事務局から「時間です!」と声掛けさせていただきました。

さて、お楽しみの観賞用竹炭など、出来栄えはいかがですか?ボヤ炭とともに、受講生みなさんにお持ち帰りいただきます。

竹細工の時間、午前中に伐った竹を使い、畑でトンネル栽培をする時の支柱を作ります。長さ150cmの竹を4つ(または6つ)にナタで割り、フシやささくれを削ってなめらかにし、両サイドを土にささるように削りました。そして、ちょうど真ん中に割れ目を入れ、曲がりやすくします。その際、端まで割れてしまわないようにビニールテープを巻いています。中心はこれまた広がらないように、結束テープで固定、よく工夫されています。…が、工程も作業量も多く、使い慣れないナタでの作業で、時間内に終了できなかった受講生もいました。

最後は「ふりかえりシート」の記入です。支柱と炭をお土産に、また地元の方々との交流、美味しいタケノコ汁もいただけて、みなさん満足されたのではないでしょうか。内容盛りだくさん過ぎて、いささか消化不良の念も否めませんが、次回の課題として、今回は無事ケガもなく終了することができました。清水地区のみなさんはじめ、参加されたみなさん、本当にありがとうございました。